2022 · 07 · 01 (Fri) 08:33 ✎
現役アナだったときから“大舞台”の読み方に
悩まされている。研修を受けている段階で
先輩から“おおぶたい”だと教えられていた。
歌舞伎“界隈”ではそう読んでいるから・・・が
当時 言われていた“根拠”だった。
違和感があった。芝居以外なら“だいぶたい”と
読む方がいいのではないかと思っていたのだ。
たとえばサッカーやラグビーのワールドカップ、
テニスのグランドスラムは選手たちにとっての
“だいぶたい”ではないのか?そこに 歌舞伎の
言い方を持ち込むのおかしいだろう!w
ただし、ニュース原稿でこの文字に出会ったら、
“おおぶたい”と読むつもりでいた。知らないと
思われるのはバカらしいからだ。ハハハ。
実況中にbig stageの意味で言いたいときには
同じ理由で“大きな舞台”と言い換えていた。
2008年のブログにはこんなことも書いている。
もし、縦3㍍、横10㍍の大きな看板を
“おおかんばん”と言うアナウンサーがいたら、
遠慮なく“大馬鹿野郎(おおばかやろう)”と
思わせてもらいます。ハハハ。
芝居の世界では“おおかんばん”以外に
ないのでしょうが、普通名詞に歌舞伎の
きまりを持ち込まないでほしいです。
・・・大舞台は“だいぶたい”で構わない説を
なんとか認めさせようと孤軍奮闘したんだ。
ハハハ。
当時から、私の主張に沿った考え方をする
専門機関もあったが、一般的にはどんな場合も
“だいぶたい”が正しいという空気だった。
歌舞伎から来ているからと“知ったか”の解説を
鵜呑みにしたり、NHKのアナウンサーが
そう言ってるからと、私にしてみれば
“あほらしい”話が根拠だった。
最近、少し“空気”が変わったかもしれない。
今回 検索で行きついた放送文化研究所の
HPで視聴者の質問に答える形でこう出ていた。
「ダイブタイ」でも、間違いでは
ありませんが、NHKの放送では、
「オーブタイ」と言うようにしています。
としたうえで、さらに・・・
現在、「大舞台」の読みについては、
「晴れの場・活躍の場」の意味の時は
①「オーブタイ」②「ダイブタイ」、
古典芸能の場合は「オーブタイ」
(×「ダイブタイ」)」として、
「オーブタイ」を推奨の読みとしています。
とあり、ここに至る経緯も書かれていた。
一時、活躍の場の意味では“ダイブタイ”、
古典芸能では“オーブタイ”と、意味によって
読み分けしていた。しかし、“オーブタイ”が
伝統的な読み方、“ダイブタイ”は誤用である
という意識が広がりはじめ、“ダイブタイ”を
使うと“オーブタイ”の間違いではないか、
といった問い合わせを多く受けるようになり
推奨の読み方を「オーブタイ」に戻した。
・・・悩みどころは私と同じだと分かる。
NHKが頑張って、あと5年か10年、
“ダイブタイ”を使い続けていれば、
浸透したはずなんだ。一般の市民だけでなく
民放の中にもNHK信奉者は多いからね。
この件を取り上げたのはいつも参考にしている
毎日新聞校閲センターのツイートがきっかけだ。
“大”をどう読むかは悩ましい。
漢語(音読みする語)、和語(訓読みの語)という
考え方があり、例外があるから決定的な
正解がないからややこしくなるんだね。
“大地震”についての解説はこちらで。
私は迷うことなく“オオジシン”派だ。
特に理由はないけど。ハハハ。
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最終更新日 : 2022-07-01